人への説明

人に自分の状況を説明するというのは、なかなか難しいものだと思います。

特に僕の場合は、単純に骨折をしたとか、右腕だけが完全に動かないという訳ではないのでなおさらです。

一見すると無意識にさりげなくやっているように見えることでも、実は意識して頑張らないと思ったように動かせないことがたくさんあります。

相手がお医者さんや、いつも自分のことを見ていて身近で生活している家族であっても、僕がどんなことに不便を感じているか、何に困っているかを理解してもらうのはなかなか大変です。

これは出来そうだとか、これは難しそうだという予想は可能だと思いますが、それにも限界があると思います。

例えば僕は、今でも懸垂を10回行うことができます。

その反面、顔を流れる汗を左手で拭うというような、一見簡単な動作がうまくできません。

筋力は保てていても、それをコントロールすることが難しいのです。

こういうことがなかなか分かってもらえず、自分もうまく説明できなくて、それがストレスになってしまうことも時々あります。

ある時、この話をリハビリの先生にしてみたところ、

「車に例えると分かりやすいんじゃない?」

とアドバイスしてくれました。

つまり僕の場合、エンジンもタイヤもちゃんと機能しているのに、ハンドルだけが上手く切れない状態だと説明すれば、少し想像してもらえるんじゃないか、ということです。

なるほど、と思いましたが、結局のところどんなに言葉を尽くしてみても、本人以外には分からない部分というのはどこかに残ってしまうでしょう。

もしも僕が病気になった側ではなく、お医者さんや家族の側の人間だったとしても、やっぱり全てを理解することはできないと思います。

そんな中でも特に一番悲しいことは、なぜこんなに回復に長い時間がかかるんだろう?と思われることです。

これについては僕が一番もどかしく感じていることですが、たぶん周りの人にも少なからず同じ思いがあることでしょう。

逆に一番嬉しいことは、元に戻るということを疑いもせず、僕を信じて待っていてくれる人がいることです。

自分のためというのはもちろんですが、僕の回復を待っていてくれる人達のためにも、いつかもっと自由に動かせる身体に戻りたいと思っています。

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